捨てる神あれば、拾う店主あり

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去年の秋に、友人の引っ越しを手伝いました。その際、最大の難関だったは長年の生活で積み重なった不用品の山でした。部屋の押し入れや物置の奥から、本人でさえ存在を忘れていた物が次々と発掘されます。私たちは軽トラを借り、まずは衣類や食器といった細々とした物を地域のクリーンセンターへ運び込みました。受付で車ごと計量し、荷降ろし後に再計量。1kgあたり数十円という明朗会計で、目の前でゴミが処分されていく様は実に爽快なものでした。
しかし、最後まで居座り続けた「ラスボス」がいました。完全に錆びつき、びくともしなくなった油圧式の重いジャッキです。この鉄の塊はとにかく厄介。自治体の粗大ゴミに出そうにも、重量物ゆえに規定外だったり、高額な処分費用を請求されたりするのが目に見えています。どうしたものかと頭を抱えていた時、近所にある不用品回収業と農機具修理業を兼ねた、少し無骨な事務所を思い出しました。
そこは中国人の店主が経営している事務所で、敷地内にはトラクターのエンジンやスクラップが所狭しと並んでいました。恐る恐る「これ、引き取ってもらえますか?」と荷台のジャッキを指差すと、店主は無造作にそれを片手で持ち上げ、重さを確かめるようにニヤリと笑いました。「あー、これね。いいよ、もらう」——その一言で、最大級の厄介払いが見事に完了。
彼らにとっては貴重な金属資源、あるいは部品取りとして価値があるのでしょう。捨てればゴミ、場所を変えれば資源。帰り道、私も友人もようやく「肩の荷」が下りたような清々しい気分で、引っ越しの荷造りの続きに取り掛かることができました。