外壁塗装代に充てられた私のヘソクリ

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仕事を終え家に帰ると、家の周囲に防護ネットが張られていた。
私、「何かするの?」
妻、「何かするのじゃないわよ。家の外壁塗装をするって何度も言ったでしょ!」
カレンダーを見ると、日付に丸が付けられ、家の外壁塗装とも書いてあった。
私、「家の外壁塗装って、いつまで掛かるの?」
妻、「・・・」
妻の小言が始まる前にカレンダーを見ると、1ヶ月後の日付に外壁塗装終了予定日と書いてあった。
カレンダーには書いてないことを確認してから、
私、「外壁塗装って幾らしたの?」
妻、「高級バイク1台分」
私、「えっそんなにするの!?」
私が高級バイクの価格を知っていたのは、買うつもりでヘソクリを貯めていたから。
私、「うちに、高級バイク1台分のお金がよくあったね?」
妻、「・・・」
虫の知らせを感じ、自分の部屋を見に行くとヘソクリが失くなっていた。
私、「僕のヘソクリは!」
妻、「何、それ?」
私、「引き出しに入れてあっただろ?」
妻、「知らないわよ」
私、「僕のヘソクリで塗装代を支払ったんだろ!」
妻、「ウルサイわね、貴方」
夫婦で言い争いをしていると、小学生の娘が部屋から出て来て
娘、「ママ達どうしたの?」
私、「ママがパパのヘソクリを勝手に使ったの」
娘、「ママ、本当なの?」
妻、「本当よ」
娘、「パパが可愛そうよ」
私、「そう思うでしょ」
娘、「パパにヘソクリを返してあげて」
妻、「えー!?返さないとダメ?」
娘、「うん」
妻、「分かったわ」
妻からヘソクリの入った封筒を受け取った娘、「これで全額?」
妻、「そうよ」
娘、「パパのヘソクリって、たったの8万円なの?」
私、「そうだよ」
娘が思っていた金額と乖離していたのか、私のヘソクリは帰って来ず、外壁塗装代の一部(20分の1)に充てられた。